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  • 口腔機能低下症

患者さんでもわかる!口腔機能低下症の検査のやり方|7項目と基準値を十日市場の歯科医が解説

こんにちは。横浜市緑区・十日市場の十日市場ファミリー歯科、院長の正木です。

「歯医者で口の機能の検査を勧められたけれど、何をされるのか分からない」「痛い検査ではないか」と不安に感じる方は少なくありません。50代以降の患者さんに検査をご案内すると、最初に聞かれるのはたいてい「どんなことをするんですか?」という質問です。

この記事では、口腔機能低下症の検査で行う7つの項目について、やり方と判定の目安、検査後の流れまでを順にご説明します。病気の概要は、以前の記事「オーラルフレイルって聞いたことありますか?」もあわせてご覧ください。

口腔機能低下症とは|原因と気づきやすい症状

むせる

口腔機能低下症は、加齢や歯の喪失、全身の病気などをきっかけに、「噛む」「飲み込む」「話す」といったお口の働きが複合的に落ちている状態です。2018年から歯科の保険診療で検査と管理ができるようになり、現在は原則として50歳以上の方が対象です。

原因は一つではありません。歯が抜けたままになっている、入れ歯が合っていない、唾液が減りやすい薬を飲んでいる、柔らかい物が中心の食事で舌や頬の筋肉をあまり使わない。こうした要素が重なって少しずつ進みます。次のような変化があれば、検査を受ける目安になります。

  • ・硬い物やおせんべいを避けるようになった
  • ・食事中にむせる、食べこぼしが増えた
  • ・口が乾いて話しにくい、錠剤が飲み込みにくい
  • ・家族から滑舌が悪くなったと言われる

口の機能の衰えを放置するとどうなるか

噛みにくい肉や野菜を避けるようになると食事が偏り、たんぱく質不足から筋力や体力の低下につながるおそれがあります。飲み込む力が弱まると、食べ物や唾液が気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。変化はゆっくり進むため、ご本人が気づきにくい点に注意が必要です。

口腔機能低下症の検査方法|7項目のやり方と基準値

検査は日本老年歯科医学会の基準に沿って7項目を評価し、3項目以上が基準に当てはまると口腔機能低下症と診断します。以下の数値は代表的な判定の目安です。

お口の清潔さと乾燥を調べる検査

口腔機能低下症
口腔機能低下症
  • ・口腔衛生状態:舌を9区画に分け、舌苔(舌の表面の汚れ)の付き方を目で見て点数化します。付着が全体の50%以上で該当します。
  • ・口腔乾燥:舌の表面に測定器を数秒当てて湿り具合を数値化します(27.0未満で該当)。ガーゼを2分間噛み、重さの変化で唾液量を量る方法もあります。

噛む力・舌と唇の動きを調べる検査

口腔機能低下症
口腔機能低下症
口腔機能低下症
  • ・咬合力:噛み合わせの力を専用のシートで測ります。機器を使わない場合は、残っている歯が20本未満かどうかで評価します。
  • ・舌口唇運動機能:「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間できるだけ速く繰り返し、1秒あたりの回数を数えます。どれか1つでも6回未満なら該当します。
  • ・舌圧:小さなバルーンを舌で上あごに押し付け、その力を測ります。30kPa未満で該当します。

食べる力・飲み込む力を調べる検査

口腔機能低下症
口腔機能低下症
  • ・咀嚼機能:グミゼリーを20秒間噛み、口をすすいだ水に溶け出したブドウ糖の濃度を測ります。100mg/dL未満で該当します。
  • ・嚥下機能:飲み込みに関する質問票(EAT-10など)にご記入いただきます。EAT-10では合計3点以上で該当します。

検査当日の流れ・所要時間・保険適用

検査はすべて座ったまま行え、痛みを伴うものはありません。7項目で30分前後が目安です。結果はその場で数値としてお伝えし、どの機能が弱っているかを一緒に確認します。

50歳以上で所定の条件を満たす場合、検査と管理は健康保険の対象です。脳卒中やパーキンソン病など全身の病気がある方は、50歳未満でも対象となる場合があります。自己負担額は負担割合や実施する検査によって異なるため、受付でお尋ねください。

検査後の管理とトレーニング

診断後は、結果をもとに「管理計画書」を作成し、弱っている機能に合わせた対策をご提案します。

  • ・舌苔が多い方:舌ブラシを使った清掃方法の練習
  • ・舌圧や滑舌が弱い方:舌を上あごに押し付ける運動、「パタカラ」の発音練習
  • ・噛む力が弱い方:入れ歯の調整や、抜けた歯の治療の検討
  • ・乾燥がある方:唾液腺マッサージや水分のとり方の見直し

おおむね6か月後に再検査を行い、数値の変化を見ながら次の方針を決めます。トレーニングによる変化には個人差があるため、続けやすい内容を一緒に考えていきます。

毎日の生活でできる口腔機能低下の予防

予防の基本は「よく噛んで食べる」「よく話す」ことです。一口30回を目安に噛む、会話を楽しみながら食事をとる、音読や歌で口を動かす。こうした習慣は道具がなくても今日から始められます。定期検診で歯や入れ歯の状態を整えておくことも、機能を保つうえで欠かせません。

横浜市緑区・十日市場で口腔機能の検査を受けたい方へ

十日市場ファミリー歯科には、お子さんからご高齢の方まで幅広い世代の方が通われています。土日も診療しており、駐車場・駐輪場もご用意していますので、ご家族の通院にあわせて検査を受けていただくこともできます。検査の詳細は「口腔機能の検査・管理」のページもご覧ください。

まとめ

口腔機能低下症の検査は、7つの項目を30分ほどで評価するもので、痛みを伴う処置はありません。

  • 7・項目のうち3項目以上が基準に当てはまると口腔機能低下症と診断
  • ・50歳以上で条件を満たせば保険で検査と管理が可能
  • ・結果に合わせたトレーニングと約6か月ごとの再検査で経過を確認

「最近むせやすい」「噛みにくくなった」と感じたら、早めにご相談ください。定期検診の際にお声がけいただくだけでも大丈夫です。

よくある質問

Q.口腔機能低下症の検査は痛いですか?

痛みを伴う検査はありません。測定器を舌に当てる、グミを噛む、発音するなど、座ったままで行える内容です。

Q.検査にはどのくらい時間がかかりますか?

7項目すべてで30分前後が目安です。体調やご予定に応じて、分けて行うこともご相談いただけます。

Q.何歳から保険で検査を受けられますか?

原則50歳以上の方が対象です。全身の病気により口の機能の低下がみられる場合は、50歳未満でも対象となることがあります。

Q.7項目のうちいくつ当てはまると診断されますか?

3項目以上が基準に当てはまると口腔機能低下症と診断します。1〜2項目の場合も、気をつけたい点をお伝えします。

Q.オーラルフレイルと口腔機能低下症は違うのですか?

オーラルフレイルは口の機能の軽い衰えを指す考え方で、口腔機能低下症は検査で機能の低下を確認し、診断する病名です。

Q.入れ歯を使っていても検査できますか?

できます。入れ歯を入れた状態で噛む力などを測るため、入れ歯が合っているかを判断する材料にもなります。

Q.検査の前に準備しておくことはありますか?

直前の飲食は舌の汚れや乾燥の結果に影響することがあるため、できるだけ控えてください。お薬手帳もお持ちください。

Q.再検査はいつ行いますか?

おおむね6か月後を目安に再検査を行い、数値の変化をもとにトレーニングの内容を見直します。

Q.家族が付き添ってもよいですか?

もちろん大丈夫です。ご家族にも結果とご自宅での注意点を聞いていただくと、食事の工夫やトレーニングを続けやすくなります。


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