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  • 歯の知識

赤ちゃん・1歳の歯が黄色いのはなぜ?エナメル質形成不全の見分け方と対処

こんにちは。横浜市緑区・十日市場の十日市場ファミリー歯科、院長の正木です。

「生えてきたばかりの前歯の一部が黄色い」「1歳6か月児健診でエナメル質形成不全と言われた」。診療室でこうしたご相談を受けると、多くの保護者の方が「歯磨きが足りなかったのでは」とご自身を責めていらっしゃいます。

赤ちゃんの歯が黄色く見える理由はひとつではありません。単なる汚れのこともあれば、歯がつくられる段階で起きた変化のこともあります。この記事では、乳歯が黄色く見える原因の見分け方と、エナメル質形成不全と分かったときの対処法を、日々お子さんの歯を診ている歯科医師の立場からお話しします。

赤ちゃん・1歳の歯が黄色い、考えられる4つの原因

エナメル質形成不全

乳歯が黄色っぽく見えるとき、歯科医院ではまず次の4つを区別します。

  • ・歯垢(プラーク)や食べかす:歯の裏側や歯ぐきとの境目に、黄白色の塊として付きます
  • ・飲み物や鉄剤などによる着色:表面にうっすら色が付き、歯ブラシだけでは落ちにくいことがあります
  • ・エナメル質形成不全:歯が生えた時点で、すでに色や形に変化がある状態です
  • ・むし歯:はじめは白く濁り、進むと黄色から茶色に変わっていきます

「歯の裏が黄色い」「黄色い塊が付いている」というご相談の多くは歯垢です。一方、生えたときから色が違う場合は、エナメル質形成不全を疑います。

エナメル質形成不全とは?乳歯に起こる原因

エナメル質は、歯の一番外側を覆う硬い層です。エナメル質形成不全は、この層がつくられる時期に何らかの影響を受け、薄くなったり、硬さが不十分なまま歯が生えてきたりする状態を指します。

乳歯のエナメル質は、お母さんのお腹にいる時期から生後1年ごろにかけてつくられます。この期間に次のような出来事があると、その影響が歯に残ることがあります。

  • ・早産や低出生体重
  • ・妊娠中や乳児期の高熱、全身の病気
  • ・栄養状態のかたより
  • ・遺伝的な要因(ごくまれ)

ただ、実際の診療では原因をひとつに特定できないケースがほとんどです。仕上げ磨きのやり方や、妊娠中の食事が原因だと決めつける必要はありません。

エナメル質形成不全の主な症状

  • ・歯の一部が白く濁っている、または黄色から茶色の斑点がある
  • ・表面がざらざら、でこぼこしている
  • ・歯の先端が欠けやすい
  • ・冷たいものや歯磨きでしみる様子がある

前歯だけでなく、2歳前後に生えてくる一番奥の乳歯(第二乳臼歯)に出ることもあります。保護者の方からは見えにくい場所なので、健診や歯科医院で初めて気づくケースも少なくありません。

むし歯とエナメル質形成不全の見分け方

エナメル質形成不全見分け方

どちらも白や黄色に見えるため、ご家庭で見分けるのは簡単ではありません。それでも、目安になるポイントはあります。

  • ・生えたときから色が違う:エナメル質形成不全の可能性
  • ・生えてしばらくしてから色が出てきた:むし歯の可能性
  • ・色の境目がくっきりしている:エナメル質形成不全に多い
  • ・歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間から広がる:むし歯に多い

最終的な判断には、歯の表面を乾かした状態で、光を当てて細かく見る必要があります。気になる部分をスマートフォンで撮影しておくと、受診時に変化を比べる材料になります。

放置するとどうなる?注意したいリスク

エナメル質形成不全の歯は表面の守りが弱く、むし歯になりやすく進行も早い傾向があります。乳歯はもともと永久歯よりエナメル質が薄いため、形成不全が重なると、短い期間で神経の近くまでむし歯が進むこともあります。

さらに、欠けた部分に汚れがたまり、しみる感覚から歯磨きを嫌がるようになると、ケアがいっそう難しくなるという悪循環も起こりえます。

エナメル質形成不全の治療法

治療は、状態の程度に合わせて段階的に考えます。

  • ・白く濁っている程度:フッ素を塗って歯質の強化を図り、経過を観察します
  • ・奥歯の溝に形成不全がある:シーラントで溝を埋め、汚れがたまりにくくします
  • ・欠けや穴がある:歯に近い色のプラスチック(コンポジットレジン)で補います

小さなお子さんの場合、いきなり削る処置から始めることはあまりありません。まずは診療台に慣れてもらうことを優先し、定期的に状態を確認しながら進めます。費用や保険適用の考え方は状態によって異なるため、診察の際にご説明しています。

おうちでできる予防とケア

お家でできるケア
  • ・フッ素配合の歯磨き剤を使う(歯が生えてから2歳ごろまでは米粒程度の量が目安)
  • ・仕上げ磨きでは、色が変わっている部分をていねいに磨く
  • ・甘い飲み物をだらだら飲ませない、哺乳瓶をくわえたまま寝かせない
  • ・3〜4か月に1回を目安に、歯科医院でチェックを受ける

形成不全の歯は弱い歯ではありますが、フッ素と毎日のケアを組み合わせることで、むし歯のリスクを下げていくことは十分に期待できます。

横浜市緑区・十日市場で乳歯の色が気になったら

横浜市では、1歳6か月児健診と3歳児健診で歯科の診察が行われます。健診で指摘を受けたときは「様子見」で終わらせず、一度かかりつけの歯科医院で詳しく確認してもらうと安心です。

十日市場ファミリー歯科では、歯が生えはじめた時期からのご相談を受け付けています。土日も診療しているので、ご両親そろって説明を聞きたいという方にもご利用いただいています。

まとめ

  • ・乳歯が黄色く見える主な原因は、汚れ・着色・エナメル質形成不全・むし歯の4つ
  • ・エナメル質形成不全は歯がつくられる時期の影響で起こり、保護者の責任とは限らない
  • ・むし歯になりやすいため、フッ素と定期チェックで早めに守ることが大切

「この黄色、大丈夫かな」と感じた時点で、気軽にご相談ください。撮影した写真があれば、ぜひお持ちください。

エナメル質形成不全に関するよくある質問

Q.エナメル質形成不全は自然に治りますか?

一度つくられたエナメル質の形が元に戻ることはありません。ただし、フッ素で表面を強くし、むし歯を防ぎながら経過を見ることは可能です。

Q.乳歯がエナメル質形成不全だと、永久歯も同じになりますか?

必ずしも同じにはなりません。乳歯と永久歯はつくられる時期が異なるためです。永久歯が生えてきたら、改めて確認しましょう。

Q.赤ちゃんの歯の裏にある黄色い塊は何ですか?

多くは歯垢や食べかすです。ガーゼや歯ブラシで落ちれば心配いりません。落ちない場合は歯科医院で確認してください。

Q.何歳から歯科医院で診てもらえますか?

歯が生えはじめたら受診できます。1歳前後から定期的にチェックを受けておくと、変化に早く気づけます。

Q.赤ちゃんにフッ素を使っても大丈夫ですか?

年齢に合った濃度と量を守れば、乳幼児にも使えます。歯が生えてから2歳ごろまでは、歯磨き剤を米粒程度の量にしてください。

Q.ホワイトニングで黄色い部分を白くできますか?

乳歯や成長途中の歯にはホワイトニングを行いません。見た目が気になる場合は、成長に合わせて別の方法を検討します。

Q.治療は痛いですか?

フッ素塗布やシーラントは削らない処置のため、痛みはほとんどありません。穴の修復も、できるだけ負担の少ない方法を選びます。

Q.健診で「様子見」と言われましたが、受診したほうがいいですか?

急ぐ必要がない場合もありますが、むし歯になりやすい歯です。一度歯科医院で状態を記録しておくと、その後の変化を比べやすくなります。


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