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デンタルフロスの正しい使い方と選び方 – 歯間ケアで虫歯予防効果アップ!
こんにちは。横浜市緑区十日市場ファミリー歯科の院長・正木です。日々の診療で多くの患者さまと接する中で、「歯ブラシだけで十分な歯磨きができているの?」というご質問をよくいただきます。結論からお伝えすると、歯ブラシだけではお口の中の汚れを完全に取り除くことはできません。特に歯と歯の間(歯間部)は、虫歯や歯周病の原因となる細菌がたまりやすい場所です。
今回は、そんな歯間部の清掃に欠かせない「デンタルフロス」について詳しくご紹介します。使い方のコツから種類の選び方まで、当院での臨床経験をもとに分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
デンタルフロスはなぜ必要なのか?
歯ブラシだけでは取り除けない汚れがある
歯科医師として長年診療を行ってきた経験から言えることは、どんなに丁寧に歯ブラシを使っても、歯の表面の約60%しか清掃できないという事実です。特に歯と歯の間(歯間部)は、歯ブラシの毛先が十分に届かないため、プラーク(歯垢)や食べかすが残りやすい部位となっています。
このような磨き残しがあると、どのような問題が起こるのでしょうか?
歯間部のケア不足がもたらす問題
- 虫歯リスクの増加:歯間部は虫歯が最も発生しやすい場所の一つです。食べかすが残ることで細菌が繁殖し、酸を生成して歯を溶かしていきます。
- 歯周病の進行:歯と歯茎の境目(歯肉溝)に細菌が蓄積すると、歯肉炎や歯周炎を引き起こします。進行すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失う原因となります。
- 口臭の発生:歯間部に残った食べかすが腐敗すると、不快な口臭の原因になります。
デンタルフロスで変わる口腔内環境
デンタルフロスを日常のオーラルケアに取り入れることで、歯ブラシだけでは約60%だった清掃率を約80%まで向上させることができます。これは、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことを意味します。
特に食後は、食べかすが歯間に詰まりやすい状態です。この時間帯にデンタルフロスを使用することで、より効果的な口腔ケアが可能となります。
デンタルフロスの種類と特徴

デンタルフロスには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。自分の口腔内状態や使いやすさに合わせて選ぶことが大切です。
1. ワックスタイプ(コーティングタイプ)
特徴:
- 糸にろう(ワックス)がコーティングされている
- 滑りがよく、歯間に入れやすい
- 糸がほつれにくく、初心者にも使いやすい
- 歯間が狭い方にも適している
おすすめの方:
- デンタルフロス初心者
- 歯と歯の間が狭い方
- 歯並びが凸凹している方
2. アンワックスタイプ(ノンコーティングタイプ)
特徴:
- 糸にろうがコーティングされていない
- 繊維が広がって歯の表面にフィットする
- 汚れを絡め取る力が強い
- 歯間が広めの方に適している
おすすめの方:
- デンタルフロスに慣れている方
- 歯と歯の間に隙間がある方
- より効果的な清掃を求める方
3. スーパーフロス
特徴:
- 糸の一部がスポンジ状になっている
- 先端が硬く加工されており、歯間に通しやすい
- 特殊な形状で広い歯間や補綴物(ブリッジなど)の下も清掃可能
おすすめの方:
- ブリッジやインプラントを装着している方
- 歯間が広い方
- 矯正装置を装着している方
4. フロスピック(ホルダータイプ)
特徴:
- フロス糸がホルダーに取り付けられている
- 片手で操作できる
- 奥歯も比較的使いやすい
- 持ち運びに便利なものが多い
おすすめの方:
- デンタルフロス初心者
- 指先の器用さに自信がない方
- 忙しい方や外出先でも使いたい方
どのタイプを選ぶべきか迷われた場合は、当院にご相談ください。患者さまのお口の状態や生活習慣に合わせて、最適なデンタルフロスをご提案いたします。
デンタルフロスの正しい使い方

デンタルフロスを効果的に使うためには、正しい手順で行うことが大切です。ここでは、主な3つの使用方法についてご説明します。
1. 指巻き法(基本の使い方)
準備:
- 約40〜45cmほどのフロスを切り取ります(肘から指先までの長さが目安)
- 両手の中指にフロスを巻き付けます
- 親指と人差し指で2〜3cmほどのフロスを保持します
使い方:
- フロスを軽く張った状態で、歯と歯の間に横方向に軽くスライドさせながら入れていきます(無理に押し込むと歯茎を傷つける恐れがあります)
- フロスが歯間に入ったら、片方の歯の表面にフロスをC字型に沿わせます
- 歯の表面に沿って上下に動かし、汚れを掻き出すようにします
- 同じ歯間で反対側の歯も同様に清掃します
- フロスを引き抜く際も、横方向にスライドさせながら丁寧に抜きます
2. サークル法(輪っか法)
準備:
- 約30cmのフロスを切り取ります
- フロスの両端を結んで輪を作ります
- 輪っかを全ての指に通し、親指と人差し指でフロスを保持します
使い方: 基本的な動きは指巻き法と同じですが、輪になっているため、フロスの位置を変える際に便利です。特に奥歯を清掃する際に使いやすい方法です。
3. フロスホルダーを使用する方法
フロスホルダーは、特に初心者の方や指先の器用さに自信がない方におすすめです。
使い方:
- ホルダーを持ち、フロス部分を歯間に横方向にスライドさせながら挿入します
- フロスを歯の表面に沿わせ、上下に動かします
- 片方の歯の清掃が終わったら、もう片方の歯も同様に清掃します
- 横方向にスライドさせながら歯間から抜きます
デンタルフロスを使う際の注意点
- 力加減に注意:強すぎる力で歯茎を傷つけないようにしましょう
- 1カ所につき2〜3回の上下運動:同じ場所を何度も繰り返すと歯茎を傷つける恐れがあります
- 汚れた部分を使いまわさない:歯間ごとにフロスの使用部分をずらすか交換しましょう
- 鏡を見ながら行う:最初のうちは鏡を見ながら行うと正確に操作できます
- 定期的な使用:毎日の習慣にすることで、技術が向上し効果も高まります
最初は難しく感じるかもしれませんが、続けるうちに徐々に慣れていきます。まずは前歯など比較的やりやすい部分から始めて、少しずつ範囲を広げていくことをおすすめします。
デンタルフロスQ&A – よくある質問
Q1: デンタルフロスはいつ使うのが効果的ですか?
A: 理想的には毎食後に使用することが望ましいですが、特に就寝前のケアは重要です。夜間は唾液の分泌量が減るため、細菌が繁殖しやすくなります。少なくとも1日1回、就寝前に歯ブラシとデンタルフロスでしっかりとケアしましょう。
Q2: 歯ブラシとデンタルフロス、どちらを先に使うべきですか?
A: 両方の順序にメリットがありますが、当院では「フロス→歯ブラシ」の順序をおすすめしています。まずフロスで歯間の汚れを浮かせてから、歯ブラシで全体を清掃することで、より効果的に汚れを除去できます。
Q3: デンタルフロスを使うと歯茎から血が出ますが、問題ありませんか?
A: 初めてデンタルフロスを使用する方や、しばらく使用していなかった方は、歯茎から軽い出血が見られることがあります。これは多くの場合、歯茎に軽度の炎症があるサインです。適切な方法で継続して使用していると、歯茎の健康が改善され、出血は次第に収まることが多いです。
ただし、強い出血や痛みがある場合は、力の入れすぎや不適切な使用方法が考えられます。また、2週間以上継続しても出血が止まらない場合は、歯周病などの可能性もありますので、歯科医院での検診をおすすめします。
Q4: 子どもにもデンタルフロスは必要ですか?
A: はい、乳歯でも歯と歯が接触していれば、デンタルフロスの使用は有効です。ただし、小さなお子さまは手先の器用さや理解力が十分ではないため、保護者の方のサポートが必要です。また、フロスピックなど使いやすいタイプを選ぶとよいでしょう。一般的には7〜8歳頃から、保護者の監督のもとで使用を始めることをおすすめしています。
Q5: 電動フロスと通常のフロス、どちらが効果的ですか?
A: どちらも適切に使用すれば効果的ですが、電動フロス(ウォーターフロスなど)は水圧で洗浄するため、従来のフロスよりも使いやすいと感じる方が多いです。特に矯正装置を装着している方や、手先の器用さに自信がない方には電動タイプがおすすめです。ただし、従来のフロスのほうが細かい汚れをかき出す効果は高いため、可能であれば両方を状況に応じて使い分けるのが理想的です。
横浜市緑区でデンタルフロス指導を受けるなら

当院・十日市場ファミリー歯科では、患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせたデンタルフロスの選び方や使い方をていねいに指導しております。「難しそう」「面倒くさい」と思われるかもしれませんが、正しい方法を身につければ、1日たった2〜3分の簡単なケアで、お口の健康を大きく改善することができます。
当院でのデンタルフロス指導の特徴
- 個別カウンセリング:お口の状態や生活習慣をヒアリングし、最適なフロスと方法をご提案
- マンツーマン指導:歯科衛生士が実際の使い方をわかりやすく丁寧に説明
- 継続サポート:定期検診時に使用状況を確認し、必要に応じてアドバイスを提供
初めての方も安心
「デンタルフロスを使ったことがない」「以前挫折した」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。当院では様々なタイプのデンタルフロスを取り揃えており、試用していただくことも可能です。あなたに合ったデンタルフロスとケア方法を見つけるお手伝いをいたします。
まとめ:デンタルフロスで叶える健康な歯と笑顔
デンタルフロスは、歯ブラシだけでは取り除けない歯間部の汚れをしっかりと清掃し、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らす効果があります。最初は難しく感じるかもしれませんが、コツをつかめば簡単にできるようになります。
まずは無理せず、できる時だけでも使うことから始めてみてください。継続することで徐々に習慣化され、お口の健康維持につながります。当院では、患者さまのライフスタイルや歯並びに合わせた最適なオーラルケア用品のご紹介も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
健康な歯は、美しい笑顔と豊かな食生活を支える大切な資産です。デンタルフロスを日々のケアに取り入れて、いつまでも自分の歯で美味しく食事を楽しめる人生をを送りましょう。
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